
この記事はこんな方におすすめです
- 「緩むこと」が苦手で、いつも力が入っている
- 休んでも回復できていない感じがある
- 「ゆるむ=怠ける」と思ってしまう
- 心の焦りがなかなか抜けず、眠りが浅い
- 自然治癒力や自律神経のバランスに関心がある
緊張し続ける体と心に、気づけた日
こんにちは。足元から、体と心と未来を整えるセラピストの かおるーん です。
以前の私は、毎日を「ちゃんとしなきゃ」と思いながら、心も体もギリギリの状態で過ごしていました。
そんなある日、背中にそっと手を当ててもらった瞬間、背骨の奥から“メキメキ…”という音が聞こえたんです。
それは、長い間閉じ込めていた自分自身の声。あの瞬間、「ああ、わたし、ずっと頑張ってたんだな」と、初めて気づくことができました。
ゆるめることは、負けではなく回復のスイッチ
「ゆるむ=甘え」「ゆるむ=弱い」と思われがちですが、実はまったく逆です。ゆるめることで副交感神経が働き、内臓の働きが活発になり、細胞の修復や自然治癒力の回復が始まります。
つまり「緩む」とは、「癒しのスイッチを入れる」ことなんです。
体が“ほっ”としたときから、癒しは静かに始まっているのです。
小さな「ゆるみ」が心の緊張もほどいてくれる
50代のある女性のエピソードをご紹介します。
施術中に「力の抜き方がわからないんです」と話してくれた彼女。私は小指をそっとゆるめるように触れました。
そのとき彼女がふっと微笑み、「今日、久しぶりに“安心”って感じました」とつぶやいたんです。
その夜、ぐっすり眠れたそうです。
“力を抜く”というのは、ただの身体操作ではなく、「心の許し」。自分に「もう力まなくていいよ」と伝えてあげることなのだと思います。
ゆるめることは、「動ける自分」に戻る準備
「緩めるって、がんばるのをやめるってことですか?」
そんな質問に、私はこう答えました。
「頑張るのをやめるんじゃなくて、“頑張り方を変える”ということかもしれませんね」
ゆるめることは、ただ休むためではありません。再び動ける体と心に戻るための準備。だからこそ、ゆるめることは未来への前進でもあるんです。
なぜ「ゆるめること」が心と体に効くの?やさしく学ぶ自律神経と回復のしくみ
姿勢が整うと、心まで落ち着く理由
猫背や前かがみで歩いていると、呼吸が浅くなりやすく、体に余計な力が入ってしまいます。反対に、背筋がスッと伸びていると、呼吸が深くなり、副交感神経(リラックスのスイッチ)が働きやすくなるんです。
この副交感神経が働くことで、消化や回復、免疫の力が高まり、体が「お休みモード」に入ります。
つまり、姿勢を整えて歩くだけで、心も自然と落ち着きやすくなるのです。
歩くことが「癒しのスイッチ」になる理由
歩くと、血流が良くなって体が温まり、脳にも酸素や栄養が行き渡ります。さらに、脳内では「セロトニン」や「エンドルフィン」といった、心を落ち着かせたり、気分を前向きにしてくれるホルモンが出てきます。
これらはストレスをやわらげてくれる“天然の癒し”ともいえる存在。だから「歩いたらちょっと元気になった気がする」というのは、ちゃんと理由があるんですね。
姿勢や歩き方が心の状態に影響する?
実は「姿勢」や「歩き方」は、気分や心の状態と深くつながっています。
元気がないとき、自然と背中が丸くなったり、うつむきがちになりますよね。でも、少し背筋を伸ばして歩くだけで、気持ちもシャキッとしたり、明るい気分になれたりします。
これは体と心がいつも連動している証拠。だから、「ゆるむ姿勢」をとることは、心にとっても大切なケアなんです。
ゆるむことで“本来の自分”に戻れる
体がずっと緊張していると、必要のないところにまで力が入り、疲れやすくなったり、イライラしやすくなったりします。
逆に、体がゆるむと、無駄な力が抜けて、呼吸もしやすくなり、余計な疲れがたまりにくくなります。そして、「またちゃんと動ける」元気な状態に戻っていけるんです。
だからこそ、「ゆるめること」は“怠ける”ことではなく、“動き出すための準備”なんですね。
ゆるむ=しなやかさを取り戻すこと
私がよく使うたとえに、「竹のしなやかさ」があります。
竹は強風が吹いても折れません。なぜなら、しなるから。
また、「お風呂の排水口」も同じです。
どんなにいいお湯を入れても、詰まっていたら流れませんよね。
ゆるめることで詰まりがほどけ、“本来の流れ”が戻ってくる。
それが、本当の意味での「整える」ことなのかもしれません。
「ゆるみ」は、包む強さ
ゆるむことは、力を放棄することではありません。
むしろ、それは「これまでよくがんばってきたね」と、自分に静かに伝えるやさしい行為です。
その瞬間、足元からふっとあたたかさが湧いてきて、心も緩んでいく。
頑張ることは大切。でも、「頑張ってないといけない」は嘘。
ゆるめることは、強さのはじまりでもあるのです。
少しだけ肩の力を抜いて、自分に「おつかれさま」と言える日が増えていきますように。
そして、体と心の声に耳を澄ませながら、また軽やかに歩いていけますように。